トライコア錠(53.3mg/80mg)

特徴

トライコア錠はフィブラート系に分類され、中性脂肪を下げる働きをもっています。また他にもLDLコレステロール低下作用やHDLコレステロール増加作用をもつ薬剤となっています。特にこのトライコア錠はコレステロール値を改善する働き以外にも、尿酸値を下げる働きがあるといわれています。

 

また以前はカプセルで発売されていましたが、2011年12月より錠剤に剤形変更をして発売されました。(既に経過措置期間が終了し発売中止となっています。)吸収性を高める事でカプセルの時よりも4/5の量にする事が出来ています。*以前はトライコアカプセル67mgと100mの規格で発売されていました。

 

リピディル錠とは同成分となっており発売元が異なるだけとなります。

 

規格

トライコア錠は53.3mg、80mgの2規格が存在しています。

 

 

効果効能

・高脂血症(家族性を含む)

 

 

作用機序

LPL(リポ蛋白リパーゼ)という酵素を増やする事で、中性脂肪(TG)から遊離脂肪酸へ分解されるのを促進し、また遊離脂肪酸からTGが合成される事を抑制します。これらの効果によりTGを低下させます。

 

LPLを増やしてくれるPPARα(核内受容体)活性化

 

@TG低下 A肝臓でのTG合成抑制 BVLDLTG分泌抑制 CHDLコレステロール増加

*トライコア錠はPPARα対してベザトール錠より親和性が高い為、TGをより低下させます。

 

TG低下作用以外に、LDLコレステロール降下作用もスタンダードスタチンと同等程度もっているといわれています。

 

半減期

半減期は約20〜25時間となっています。

 

 

禁忌・併用注意

・妊婦、妊娠の可能性がある婦人、授乳婦
・胆のう疾患患者 *胆石形成の可能性有
・中程度腎機能障害者(血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上の患者) *横紋筋融解症リスクが高い
・肝障害患者

 

*原則禁忌:HMG-CoA還元酵素阻害薬
腎機能異常有りの患者は併用により横紋筋融解症が発現しやすくなる為、原則禁忌となっています。

 

 

排泄経路・性状・代謝酵素

排泄経路は腎排泄となります。

 

 

副作用

トライコア錠の副作用として主なものは、胃部不快感、嘔気などの消化器症状や発疹等の皮膚症状等となっています。

 

 

注意点

重篤な副作用である横紋筋融解症の発現に注意が必要です、特に腎機能障害者はその可能性が高くなります。なおスタチン系との併用で発現の可能性が高まり原則は併用禁忌となっています。

 

 

妊婦・授乳婦

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には安全性が確立していない為投与しない事になっています。

 

 

薬価

 

 

 

規格 薬価
トライコア錠53.3mg 30.3
トライコア錠80mg 39.5

*H26年4月変更薬価(次回はH28年4月予定)

 

 

 

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

 

ジェネリック医薬品は既に多くのメーカーから発売されています。
基本「成分名+メーカー名」という形の名前となります。

 

医薬品名(メーカー) 薬価
フェノフィブラートカプセル67mg「KTB」 18.8
フェノフィブラートカプセル100mg「KTB」 24.4

*上記以外も多数発売されています。

 

 

*ジェネリック医薬品の値段を調べたい場合はコチラのサイトを参考にして下さい。

 

 調べ方はまず先発品の名称を入力して表示された右側にある
 「同効薬リスト」をクリックするとジェネリック医薬品の価格が出てきます。

 

 

 

市販医薬品

現在、フィブラート系薬剤の分類のものではありませんが、塩野義製薬からローカスタという、血清高コレステロール改善薬(第3類医薬品)が発売されています。

 

 

トライコア錠詳細

成分名 フェノフィブラート
剤形・規格 錠剤/53.3mg・80mg
効果効能・用法・用量

トライコア錠
・高脂血症(家族性を含む)
通常,成人にはフェノフィブラートとして1日1回106.6mg〜160mgを食後経口投与する。なお,年齢,症状により適宜減量する.1日160mgを超える用量は投与しないこと。

警告 特になし
禁忌 肝障害患者、妊婦、授乳婦、、他上記禁忌項目参照
原則禁忌 腎機能異常患者に対する、HMG-CoA還元酵素阻害剤の併用
添付文書 医療用医薬品の添付文書情報

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