リポバス錠(5/10/20mg)のすべて

リポバス錠

特徴

リポバス錠はスタチン系の中でもスタンダードスタチンに分類されます。スタチン系ではリポバス錠のみがアゾール系抗菌薬であるイトリゾールなどとは併用禁忌となっています。

 

規格

 

リポバス錠は5mg/10mg/20mgの3規格が存在しています。
元々5mgと10mgの2規格のみでありましたが、さらに強い脂質低下効果をという事で20mgのその強い効果が確認でき承認された経緯があります。いわば用量依存的な効果がある医薬品となります。

 

 

効果効能

 

・高脂血症
・家族性高コレステロール血症

 

 

作用機序

 

コレステロールが作られる経路における律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的に阻害する事により血中のコレステロールを低下させます。主に肝臓、小腸が作用部位になります。

 

*HMG-CoA還元酵素でコレステロール生合成阻害⇒肝細胞内コレステロール含量低下⇒LDL受容体活性増強(受容体数増加)、リポタンパク分泌抑制⇒血中から肝細胞内へLDL取り込み増加⇒血中コレステロール値低下

 

用量依存的に効果が認められますが、最大20mg/日までの投与となっています。

 

禁忌・併用注意

 

・妊婦、妊娠の可能性がある婦人、授乳婦 
・イトラコナゾール、ミコナゾール、アタザナビル、サキナビルメシル酸塩、テラプレビル、コビシスタット服用中の患者

 

*原則併用禁忌:フィブラート系薬剤 (ベザトールSRなど)
 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が発現しやすくなる為原則禁忌となっています。

 

なお作用発現までにかかる時間は約2日間で、作用持続時間は約24時間となっています。

 

◎併用注意
グレープフルーツ、ジュースとの併用で血漿中の薬剤濃度が上昇(CYP3A4阻害による)します。その濃度上昇は数倍になる事から基本的には併用はさけ、他のスタチン系に変更が必要になります。

 

 

副作用

 

リポバス錠の副作用として主なものはは、筋肉痛、倦怠感、便秘、掻痒などとなっていて、全体の約3%に発生しています。なお5mg、10mg、20mgの副作用発現率は規格によって変わらない事が示されています。

 

 

注意点

 

重篤な副作用の1つである横紋筋融解症と妊婦、授乳婦に注意が必要ですね。

 

 

妊婦・授乳婦

 

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない事になっています。これは生存率低下と発育抑制が他の薬にて報告されている事によるものになります。

 

薬価

 

 

規格 薬価
リポバス錠5mg 112.4
リポバス錠10mg 221.8
リポバス錠20mg 447.8

*H26年4月変更薬価(次回はH28年4月予定)

 

 

 

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

 

ジェネリック医薬品は既に多くのメーカーから発売されています。
基本「成分名+メーカー名」という形の名前となります。

 

医薬品名(メーカー) 薬価
シンバスタチン錠5mg「EMEC」 44.6
シンババスタチン錠10mg「日医工」 87.6

*上記以外も多数発売されています。

 

 

*ジェネリック医薬品の値段を調べたい場合はコチラのサイトを参考にして下さい。

 

 調べ方はまず先発品の名称を入力して表示された右側にある
 「同効薬リスト」をクリックするとジェネリック医薬品の価格が出てきます。

 

 

 

市販医薬品

 

現在、HMG-CoA還元酵素阻害剤の分類のものではありませんが、塩野義製薬からローカスタという、血清高コレステロール改善薬(第3類医薬品)が発売されています。

 

 

リポバス錠詳細

成分名 シンバスタチン
剤形・規格 錠剤/5mg・10mg・20mg
効果効能・用法・用量

リポバス錠
・高脂血症/家族性高コレステロール血症
 高コレステロール血症 通常、成人にはシンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

警告 特になし
禁忌 妊婦、授乳婦、他上記禁忌項目参照
原則禁忌 腎機能異常患者に対する、フィブラート系薬剤とメバロチンの併用
添付文書 医療用医薬品の添付文書情報

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